広島の弾薬庫に劣化ウラン弾? 1997/3/4


広島市に米軍川上弾薬庫がある。陸軍第83兵器大隊。弾薬貯蔵能力 5万1000t で「太平洋地域で唯一最大」といわれる。広島大学西条キャンパスは北西にわずか 6キロだ。105・砲弾を1日800 発補修する工場をもつ。裏ゲート横から、望遠で「危険1」正八角形の標識を写したことがある(拙著『ベルリンヒロシマ通り』掲載)。米陸軍「爆薬・爆発物類安全規準」によれば、「危険度1」は、mass detonation (大爆轟)とある。核・非核を区別する基準ではないが、危険度はトップクラスだ。 6年前、呉市議会議員団が立ち入り調査をしたときは、この標識が25本立っていたという。 3月 3日発売の『週刊現代』グラビアを見て驚いた。この弾薬庫の全景が見事な航空写真でとらえられている。よく見ると、以前よりも弾薬庫の数が増えている。冷戦が終結したのに、ここは強化の一途だ。湾岸戦争のとき、イラク攻撃のためにフル稼働した。毎日のように、ごく普通の輸送トラックで岩国などに運ばれていくのを私自身何度も目撃したことがある。ここの司令官ループ中佐(当時)は、隊員向けメッセージのなかで、ここの弾薬が「真っ先に砂漠地帯に陸揚げされ、発射の準備がされた」と語ったという(朝日92年 2月 1日付) 。近所に住んだ者としては、こんなぶっそうなものを早く返還させて、緑豊かな公園にでもすべきだと思ったものだ。広島大学の統合移転で、この地域は「賀茂学園都市」として発展している。大学街に弾薬庫はいらない。『週刊現代』のグラビアを見ながら、ふつふつと怒りがこみ上げてきた。