愛媛玉串訴訟判決について 1997/4/7


日新聞』の先触れ記事通りの判決が出た。最高裁にしては極めて明快な判決である。12対 2という大差での違憲判決。「快挙」と拍手する前に、ちょっと引いて考えてみると、愛媛県がやったことは、それだけひどかったということだ。憲法20条 3項は、「国及びその機関〔地方自治体を含む〕は…いかなる宗教的活動もしてはならない」と規定し、89条は「公金その他の公の財産は…宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため…これを支出し、又はその利用に供してはならない」と定める。政教分離原則である。愛媛県は一宗教法人にすぎない靖国神社に対し、玉ぐし料を公費支出した。他の神社や教会には県の公金は一円も出していない。判決は、この支出行為を宗教的活動であると認定し、同時に89条に違反するとした。玉ぐし料は「社会的儀礼」などではなく、「靖国神社は特別なものだ」という印象を与え、関心を呼び起こす「効果」をもつと述べた。いわゆる「目的・効果基準」の適用事例だ。園部裁判官は宗教団体に公金支出したことだけで、89条違反になると補足意見に書いている。園部意見がいうように、あえて目的・効果のテストにかけなくても89条違反となる、あまりに露骨なケースだったというべきだ。超保守的体質の愛媛県は、社会的儀礼で乗り切れると甘くみていたに違いない。さしもの最高裁も黙認できないひどいケースだったが、この判決の論理を一貫させれば、首相や大臣連中の「公式参拝」も違憲となろう。判決当日、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」が気勢をあげた。なんで「みんな」なの? 一人でいけばいい。公人が束になって行けば、「靖国神社は特別なものだ」という印象を与えるのは間違いない。なお、靖国神社の異様な雰囲気と時代錯誤性は、ホームページ参照。(http://www.yasukuni.or.jp)