45年目の4.28 1997/4/28


45年前の今日も月曜日だった。1952年 4月28日(月)。サンフランシスコ講和条約 3条が発効して、沖縄に対する施政権がアメリカに暫定的に移譲された日である。基地の「暫定使用」を目的とした米軍用地特措法が、 4月17日に参議院で可決・成立した。法律の問題点は以前述べた。今日注目したいのは、17日夕方の傍聴席の出来事だ。議員が発言中、傍聴席左側の10名ほどが大声で騒ぎだした。藤田参院議長は登壇中の議員の発言を止め、傍聴席に注意を一回してから、衛視の出動を命じた。参院議長は参議院の内部警察権をもち(国会法114 条、参議院規則217 条)、傍聴人を退場させたり、必要な場合は警察官に引き渡すことができる(同118 条)。悪質な議事妨害は威力業務妨害罪を構成するから、議長命令で逮捕ということもある。この日、傍聴席には反戦地主の知花昌一さんもいた。傍聴人が逮捕されたとき、知花さんも身柄拘束された。この一部始終を、ニュース23のカメラが撮っていた。それには、知花さんが騒ぎに加わらず、それを見守っている姿が映し出されていた。にもかかわらず、彼は拘束されてしまった。その後、彼だけはすぐに釈放された。『沖縄タイムス』 4月20日付によると、防衛施設庁幹部は、傍聴席の事件が特措法の改正を正当化してくれたと述べたという。「あの何倍もの人数が基地で騒いだら収拾がつかない」というわけだ。だが、かりに特措法が成立せず、法的空白が生まれても、地主が基地内に入って小屋を建てたりすることは現行法上認められていない(裁判手続きが必要)。だから、地主が基地内で混乱を起こすなどということはまずあり得ない。傍聴席で反戦地主を身柄拘束して、特措法の無理な改正を正当化したとしか思えない。「良識の府」という言葉が消えて久しいが、知花さんに関する限り、議長警察権の濫用ということができよう。