稲嶺沖縄県知事の3 年前の言葉 1999/2/8


は、昨年11月の沖縄知事選直後に那覇で講演したが、その際、「ジャーナリストとは航海士。ジャーナルとは航海日誌のこと。記録し、書きつづけることが大切だ」と述べた。その場にいたマスコミ関係の方が、稲嶺恵一沖縄県経営者協会会長(当時)が95年10月21日の県民総決起集会で行った演説を送ってくれた。当時の録音テープをもう一度聴きなおし、全文を文章化したものだ。演説は、「ただいまの仲村〔清子〕さんの、本当に心の中からにじみ出るような叫びを聞きました。たいへん心を打たれました。ぜひ、この純粋な少女たちの願いが叶うように、本日この会場6 万を超える皆さまとともに連帯して闘っていくことのメッセージ、ご挨拶を申し上げます」で始まる。稲嶺氏は、日米両政府に対して、地位協定の不平等是正や、在沖米軍基地の整理縮小の促進、地域別基地配置の均衡を図ることなどを強く求めている。そして、「今後とも大田知事、嘉数〔県議会〕議長を先頭に、われわれも一丸となって皆さんとともに前進することをお誓いしまして連帯のご挨拶といたします」と結んでいる。この「誓い」は今、どうなっているのか。選挙が終わってしまえば、アメリカの方から聞こえてくるのは基地の機能強化の話だけだ。11月24日「直言」で指摘した通り、アメリカの狙いは沖縄に最新鋭垂直離着陸機MV22オスプレイの前進基地を設けること。『朝日新聞』(西部本社版)1 月21日付は、初めてオスプレイの全体写真を第一社会面ハラに使って「基地強化」を報じた(東京本社版は記事なし)。沖縄の第3 海兵遠征軍副司令官は、普天間基地のヘリが2007年以降、オスプレイに「更新」されると発言。ヘリコプターよりも凄まじい騒音で知られる機を、人口密集地域に配備するのか。この副司令官発言に対して、稲嶺知事は、「基地機能の強化につながるかどうか判断材料を持ち合わせていない」(『沖縄タイムス』99年 1月23日)、「オスプレイがどういうものか分からないので何とも言えない。私の基本的な考え方は、基地の整理・縮小をはかることと、基地の機能の強化には反対ということだ」(『朝日』前掲)と述べている。稲嶺氏は選挙中、北部陸上空港案を出したが、オスプレイの沖縄配備は米海兵隊の殴り込み機能を格段に高めるもので、まさに質的軍拡である。稲嶺氏は3 年前の「誓い」に立ち返って、オスプレイ配備に反対すべきである。なお、大田知事のもとで出納長を務めた山内徳信氏は、県庁内に「徳信塾」を開いて、新聞記者などに憲法や地方自治をレクチャーしていた。私のゼミ学生も昨年9 月にそこで話を聞いている。出納長辞任後、自宅隣に「自治・平和・憲法研究所」を設立し、理事長に就任したという(『沖縄タイムス』98年12月5 日付)。山内氏は、3 月6 日(土)午後2 時から、東京・新宿の早稲田大学小野講堂で開かれる憲法フォーラム「憲法未来の指針に−−周辺事態法を考えよう」(全国憲法研究会有志主催)で講演する。