米軍HPから見えるもの 1999/2/22


ームページには、CIA やFBI から軍の各種部隊に至るまで、実に様々なものがある。秘密性の強い国家機関のHPなどで公開されるものは、さしさわりのないものに限られるが、時には興味深い情報も含まれている。ポイントキャスト(http://www.pointcast.com)をダウンロードすれば、24時間いつでも外国の新聞や各種機関の情報を得ることができる。例えばDefense のなかに、Air Force NEWSがある。米空軍の新聞である。1 月29日付によると、第2 遠征航空団のB52 爆撃機とKC10空中給油機のクルー(搭乗員)がインド洋のディエゴガルシア島海軍基地で「ユニークな訓練」を行ったと書いてある。内容は、「クルーがいかなる挑戦に遭遇してもいいようにするための訓練」といい、島嶼間の低空飛行訓練や、海軍艦艇との電子戦訓練などが挙げられている。沖縄の嘉手納基地の飛行機も参加している。さりげない訓練の描写から浮き彫りになってくるのは、米軍の「次のターゲット」である。一方、海軍新聞(Navy News) には、「西暦2000年問題」(Y2K) についてのニュースがよく出ている。Y2K とは、コンピューターが99年から2000年に移る年を正しく読み取れず、下二桁の00を1900年と勘違いして誤作動するおそれがある問題だ。2 月1 日にはイージス艦などがY2K 対策を完了したと伝え、翌日、 3隻のトライデント型戦略ミサイル原潜をはじめとする潜水艦隊の対策の様子を伝え、4 日には「Y2K は太平洋艦隊の最高優先事項」として対策がとられていることが出てくる。海兵隊の新聞(MC News) も毎日読むことができる。2 月1 日更新では、沖縄に配備予定の垂直離着陸機MV-22 オスプレイの整備・調整が進んでいることが分かる。調整も終われば、今年中に、沖縄配備に向けた動きが高まってくるだろう。2 月10日更新では、大分県・日出生台演習場で行われた第12海兵連隊砲兵第3 大隊(沖縄キャンプ瑞慶覧)による155 ミリ榴弾砲実弾射撃訓練のことが報じられている。指揮官の一人は、「明日は自治体やメディアのための“デモンストレーション・デー”」と位置づけ、海兵隊の活動を知らせるチャンスである「メディア・デーは特に重要である」と述べている。近隣住民のなかに砲撃演習への不安があるだろうが、「日本の人々も、我々が友好的でかつ礼儀正しいことを知れば安心するだろう」と自信たっぷりに書いている。沖縄の県道104 号線を封鎖して行われていた砲撃演習が本土の5 箇所に「移設」されたが、その後もキャンプハンセン演習場では重砲以外の射撃演習が行われている。これは昨年2 度にわたり私自身が金武町で確認している。また、北海道の矢臼別演習場では昼夜ぶっ通しで砲撃が行われている。この間の『大分合同新聞』を見ると、日出生台でも周辺住民の不安・不満が高まっていることが分かる。いずれにせよ、米軍のサイトから得られる、一見「どうでもいい情報」のなかにも、思わぬ「宝」が見つかるものである。各人が問題意識のアンテナをどう磨き、この世界をどう有効に活用するかにかかっている。