米兵、捕虜の首切る タリバーンへの虐待示す映像、ベルリンで公開
   『朝日新聞』2002年6月15日付

アフガニスタン北部で昨年11月、北部同盟と米軍が、投降したタリバーン兵士らを虐待し、多数を死亡させたとする目撃者の証言を集めた映像が13日、ベルリンで一部報道機関に公開された。
撮影したアイルランド人ジャーナリストを支援するドイツの野党、民主社会主義党(PDS)と、欧州議会の左派グループは、赤十字など国際機関による現地調査を求めている。
 約20分の記録映像をまとめたジェイミー・ドーラン氏によると、アフガニスタン北部クンドゥズで昨年11月、タリバーンとテロ組織アルカイダの約8千人の兵士が捕虜になった。目撃者として登場した北部同盟の兵士によると、捕虜たちはコンテナに積まれ、米軍がいる約300キロ西のシバルガンに運ばれた。一つのコンテナに約300人が押し込まれたという。
 この兵士は途中、上官の命令でコンテナに向かって発砲したこともある。到着時には、コンテナ内の捕虜の半数が死んでいたという。アフガン人運転手によると、死亡した捕虜は「砂漠に運んで、埋められた」という。こうして「消えた」捕虜は計3千人以上になると北部同盟の司令官と見られる男性は語った。
 「捕虜たちの取り調べをする米兵らは捕虜の首を切り、別の捕虜に薬品をかけるなど、やりたい放題だった。我々には止められなかった」と別の北部同盟の兵士は証言した。