沖縄タイムス<2001年4月29日> 朝刊 1版 総合2面(日曜日)

市民が担う平和/水島氏、九条の意義強調/4・28集会

 平和運動センターは二十八日、那覇市内で「平和憲法をくらしの中へ4・28集会」を開いた。水島朝穂早稲田大学教授が「武力なき平和-日本国憲法の構想力」と題して講演。NGOによる非武装での紛争解決の実践を紹介しながら「平和を創造する切り口として憲法九条を積極的に活用すべきだ」と、憲法の今日的意義を強調した。

 水島氏はNATO軍のコソボ空爆を例に、近年の米軍の武力行使が「戦争でもなく、自衛権の行使でもなく、人権のための警察行動を指す『人道的介入』というレトリックを用いている」と指摘。在沖米軍も今後「アジアの不安定性を除去し、人権侵害から守る」という同様の意義付けを強めるとの考えを示した。

 その実態は「自ら不安定性を拡大し、軍隊の維持を図るマッチポンプだ」と痛烈に批判。憲法改正論者が用いる「国際的な公共福祉のために自衛隊を派遣する」という考えにも「結局戦争であることに変わりない」と退けた。

 同氏は「国家に代わり、平和の新たな担い手となるのは市民や自治体」と述べ、「しなやかな平和主義」の実践を呼び掛けた。