憲法特論(総論・統治)2000年度

(1) 立憲主義と統治機構に関する基本的問題を扱います。総論・統治というと、魅力のない固いテーマのように思われがちですが、実際の講義の中では、それぞれのテーマに関連した「旬」の問題を素材にしながら、受講者の興味・関心をひくように料理していきます。21世紀を目前にして、人・モノ・カネ・情報などが国境を超えて展開するなか、憲法をめぐる問題状況も大きく変容しようとしています。広い視野から憲法と統治機構について考えてみたいと思います。

(2) 講義の冒頭は「10分間コーナー」として、前回の講義以降に起きた「憲法に関わるホットな事件」をライブ感覚で解説します。本論では、通常はあまり扱わないようなテーマについても、少々こだわりたいと思います。憲法の体系には目配りをしつつも、憲法問題の「急所」を直撃するような講義をするので、憲法の体系的講義を期待するむきには、テキストなどによる自習が求められます。 テーマの一例:立憲主義の現代的意味、ボーダレス時代の主権論、選挙制度の各国比較と日本の選挙制度の問題点、議院内閣制と首相公選論、地方自治の新展開と「自治体外交権」、各国君主制と日本象徴天皇制、憲法改正の理論問題、国連の集団安全保障と憲法。

(3) 大須賀明編『現代法講義・憲法』(青林書院)を使用します。

(4) 前期レポート用課題図書の例として、水島『武力なき平和−−日本国憲法の構想力』(岩波書店)、同『この国は「国連の戦争」に参加するのか』高文研を挙げておきます。『憲法判例百選I、II』(有斐閣)も参照。

(5) 前期はレポート、後期は論述式の試験を行います。

(6) インターネットの各国メディアのサイトを利用して、最新のニュースを紹介します。受講者は新聞をよく読んで参加するようにして下さい。授業開始までに、前回の講義の質問や「憲法的事件」について書いた紙を教壇に置いておけば、講義の中で紹介します。前日の午後4 時までに到着したメールも同様の扱いとします。

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