さようなら、ボン! 2000年3月27日 ※本稿はドイツからの直言です。

本を離れる前の直言を書いてから1年以上がたった。 「ドイツからの直言」も今回が最終回。外国で日本語の文章を書き続けるのは存外難 しい。それでも何とか更新を続け、緊急直言を含め55本になった(200字440枚) 。いつもご覧頂いている皆さんに、この機会にお礼を申し上げたい。さて、これから戻る 日本の状況は実に錯綜している。たった1年でも「浦島太郎」になりかねない。ドイ ツで三省堂『新六法』の仕事 をやったので、新法令はそのつど確認してきた。周辺事態法、通信傍受法、国旗・国 歌法、憲法調査会設置のための国会法改正等々。う〜んと唸るものが多かった。ドイ ツでの仕事や人間関係もやっと軌道にのり、これからという時に帰るのは少々辛い。 ともかくも、基本法制定50周年と2000年の変わり目にボンに滞在してよかったと思 う。家族にとっても、よい思い出になった。「ライン川からシュプレー川へ」(Vom Rhein an die Spree)。ボンからベルリンへの議会・政府の移転にも立ち会えた。9年前に統一直後の状況をベルリン(東)で「定点観測」し、今度はベルリンの首都始動を、ボンから観察した。その最後にやってきたのが、「ドイツ統一の功労者」ヘルムート・コール前首相の事件。昨年11月9日にブッシュ元大統領とゴルバチョフ元大統領と共に演説したのが彼の絶頂だった。今年10月3日の統一10周年記念行事の時、主役となるはずだった彼はどこにいるだろうか。時代の変化を感じる。

なお、「新着情報」欄を休止していたので、滞在中に活字になっ たものを列挙しておく。

  • 評論 「ユーゴ空爆と『周辺事態』」『朝日新聞』(西部本社4月20日付、東京本社4月21日付);
  • 松元ヒロ・水島朝穂共同脚本「憲法くん」『季刊the座』41号こまつ座(5月21日刊行) ;
  • 直言転載「『コソボ戦争』下のドイツからの報告」『第二期戦争責任』 樹花舎(6月5日刊行) ;
  • 朝 日新聞アジアネットワーク提言「アジアから見たNATO新戦略」(ドイツを担当) 6月29日付25頁特設面;
  • 英訳“Kosovo a test for post-Cold War era",ASAHI EVENING NEWS, July 21 ;
  • ミニコラム「核シェルターのママチャリ」『早稲田ウィー クリー』874 号(7月1日)ミニコラム欄;
  • インタビュー「水島朝穂早大教授 に聞く・サミットと県民―市民・自治体の視点より鮮明に」『沖縄タイムス』7月4日付
  • 拙著『この国は「国連の戦 争」に参加するのか』高文研(3月10日刊行) の紹介記事(『中国新聞』3月22日) と書評(前田哲男『週刊金曜日』7月23日号);
  • 論文「ドイツ基本法五〇年と軍事法制」『法律時報』8月号(71巻9号) ;
  • コメント「遠い戦争・近い戦争(5) 」『朝日新聞』8月17日付夕刊;
  • 共編『新六法2000・平成12年版』三省堂(10月30日刊 行) ;
  • 論文「周辺事態法は違憲か合憲か」『日本の論点2000』文藝春秋社(11月10日刊行) ;
  • 評論「軍事演習場を自然公園に――ドイツの自治体と住民」『沖縄タイムス』11月17日付 ;
  • 論文「軍人の自由--なぜドイツで軍人デモが行われたか」『法学セミナー』2000年1月号;
  • 評論「平和と人権の新 しい課題――久田栄正没後十年に寄せて」上・下『北海道新聞』2000年1月25〜26日各 夕刊;
  • 憲法改正問題識者コメント「憲法に反する政治正せ」共同通信配信の『信濃毎日新聞』『琉球新報』『岩手日報』『熊本日日新聞』など26地方紙の1月29日〜31日付掲載;
  • 論文「国際社会への参加資格」『アエラムック・憲法がわかる。』朝日新聞社 (4月刊行予定)。
  • それでは、日本で「直言」を再開するまで、しばらくのお休みです。さようなら、ボン!


    Auf Wiedersehen! Auf Wiederschauen! Tschüß!